こんな不安な時代だから。 小学生のお小遣いから始める金融教育。

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少子高齢化で子どもたちは年金がもらえない?!
日銀の金融緩和継続で円安物価高はまだまだ続く!?

お金にまつわる不安が大きい昨今。
貯蓄から投資へ、の流れも確実視されています。

と、なれば気になるのは子どもの金融教育。
高校からは金融教育が義務化されたものの、それで間に合うのか不安な方も多いはず。

今回は元進学塾の塾長でファイナンシャルプランナーの資格も持っている著者が小学生の金融教育についてお話しします。

なぜ金融教育は大切なの?

日本では長い間、金融教育が重視されてきませんでした。

それは高度経済成長期から「真面目に頑張れば、お金は少しずつ増えていく」という社会背景や、勤勉質素を是とする国民性があったからだと考えられています。

しかし、ここにきて年金神話が破綻。
医療の進歩で寿命が延びるのはいいけど、老後の資金が心配という声が団塊r世代を中心に高まるようになりました。

また、成年年齢の引き下げもポイントになっています。
18歳から高額な取引やクレジットカード契約もできるようになり、親元から離れたばかりの大学生などが詐欺やトラブルに遭わないか心配されるようになりました。

ようやく日本にも金融教育の必要性が出てきた、というわけです。
新型NISAをメインとした大人向けの投資講座だけでなく、早くからお金や金融リテラシーについて学んでいこうという子ども向け講座まで、今まさに金融教育は盛り上がろうとしています。
●子どもの前ではお金の話はしない
●働かずにお金を増やそうとするのは悪いことだ

そんな旧来の考え方が少しずつ変わり、

●子どもと一緒にお金について考える
●お金がお金を生む原理を知り、資産運用で将来に備える

時代に変わっていくのです。

大人になってから経験則的に金融について学ぶことはあまりにも遅いということで2022年には高校で金融教育が義務教育化されました。
それでは高校の金融教育を受けるとどのようなスキルが身につくのか、社会人になっても通用するような内容なのか次章で確認します。
NISAの文字とその周りに電卓・虫眼鏡・付箋・ノート・ボールペン・スマホ

義務教育化された高校の金融教育で学ぶ内容は?

2022年から義務教育化されている高校での金融教育。

一体どんなことが学べるのか見ていきましょう。

①家計管理とライフプランニング

高校卒業と同時に一人暮らしをはじめる人のために家計管理を学びます。

またライフプランニングでは長期のイベントから逆算して必要な貯蓄額などを計算します。

②お金の使い方

キャッシュレス決裁の増加に伴い、お金の感覚がマヒしがちな現代。

そのメリットや注意点を考えます。

③社会保険と民間の保険

リスクに備えお金を皆で出しあう保険の仕組みを考えます。

日本には公的な社会保険とそれを補完する民間の保険があることを学びます。

④資産形成

金融商品の仕組みや利息の計算など運用の基礎から応用までしっかり学びます。

何より投資は自己責任であることを理解します。

⑤ローン

クレジットカードのローンについて考えます。

また奨学金制度についてもここで学びます。

⑥金融トラブル

投資詐欺やマルチ商法などその手口や実際の例について学びます。

万が一トラブルにあってしまった場合の対処法についても考えます。

このように、18歳になって社会に出ていく子どもたちにとって必要最低限のお金の知識やルールを学ぶのが高校での授業となります。
しかし、金融について18歳まで無知なのはあまりにも危険です。友人同士のお金の貸し借りやスマホゲームの課金問題、お年玉の有意義な使い道など、お金と関わる機会はたくさんあります。早い時期から学ぶに越したことはありません。
金融リテラシーの文字の周りに日足チャート・ペン・万札数枚・くりっぷ・付箋

小学生のお小遣いからはじめる金融教育

高校まで金融教育を待つことはありません。

もっと早くから、少しずつお金について学んでいくのが理想でしょう。
お金を見たり使ったりする機会が出てくる小学生のお小遣いから始める金融教育をデータとともに考えましょう。

①お小遣いはいつから与えるべき?

 出典:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度

小学低学年から7割の子がお小遣いをもらっています。

中学生になると8割を超えますが、高校生で少し減るのは「バイトで稼ぎなさい」という方針だと思われます。
やはり一緒に買い物に行って、お菓子など自分で欲しいものが出てくる小学生からお小遣いを軸にお金の教育を始めるのがよさそうです。

 

②お小遣いはどうやって与えるべき?



   出典:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」


もらい方は高学年になればなるほど、「ときどき」から、「月に1回」など決められた頻度に移行しています。ここがポイントになりそうです。
ズバリおすすめは、

 

★小1~2は必要に応じて「ときどき」

★小3(九九を覚え終わったあと)から「月に1回」に変更

です。

 

さらに詳しく見ていきましょう。

③小1~2の「ときどき」のお小遣いで学べる金融教育
 

うちの娘(小2)もそうですが、低学年の子はなかなかお買い物に付き合ってくれません(笑)。

(つまらない)

(家に帰って早く遊びたい)

のは仕方のないこと。

興味があるお菓子コーナーやおもちゃコーナーが数少ないお小遣いによる学びの時間です。

 

・簡単な足し算

・物の価値の感覚

・消費税の感覚

 

を意識して一緒にお買い物を楽しみましょう。

ポイントは「実際に硬貨を渡して、レジで支払う経験をさせること」です。

今の子どもたちはキャッシュレス化に伴い、〝ピッ〟でお買い物ができると思っています。

実際に、1円・5円・10円・100円・500円をに触らせ、その大小や価値(だいたい50円持ってると小さいお菓子が買えるetc)を理解させましょう。

また、2年生くらいになってきたら物の価値が変動することも理解できます。

特売日やリユースショップなどで、いつもよりどれくらい安いのかを計算したり、なぜ中古品だと安くなるのかを一緒に考えてみてください。物の価値というのは、需要と供給(人間の必要性)で変わってくることが学べます。


④小3からの「月に1回」のお小遣いで学べる金融教育
 

ここからが本番です。

足し算・引き算だけでなく九九を覚え、いよいよお小遣い帳との初対面です。

ここでお小遣いの管理が面倒くさいモノになってしまわないように、以下の工夫をしていきましょう。

 

★お小遣い帳は本人に選ばせる

はじめてのお小遣い帳。パパやママが使いやすいモノを買ってきて渡す、のではなく一緒に時間をかけて一生懸命選びましょう。お店を何軒かまわるくらい。そうすることで「パパやママが慎重になってる・・・ってことは大切なものなんだ!」と子ども心に感じてくれます。また女の子などはデザインも大切。飽きの来ない愛着の湧くものを選びましょう。

薄い短期間用でもいいですがおススメはしっかりした長期間用です。あとから見返して一緒に成長実感できますよ(自己肯定感UP!)。

 

★毎月の金額を決める

金額にはあまり意味がありません。相場はこんな感じです。
 
 出典:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」


 

3年生なら500円/月から始めてみてはいかがでしょう?

500円玉ではなく100円4枚と50円1枚と10円5枚と細かく渡してあげると大小の感覚がつきやすいです。お金は財布や貯金箱(開けられるもの)で管理します。


★お小遣い帳をつける

最初はパパやママと一緒につけましょう。しっかり書けたらめいっぱい大げさに褒めてあげてください。「お金を上手に管理出来てすごいね!頑張ってるね!」といった具合に。

月に500円くらいだと、もらった日と使った日で5~7回程度の記帳になると思います。毎回ちゃんと書けるように一緒に作り上げていきましょう。


★インセンティブの工夫

お小遣い帳がある程度しっかり書けるようになったら、貯まる喜び・増える喜びを体験させましょう。

・お小遣い帳を毎月書けた毎に100円ボーナス

・月末に貯まった分のお金の5%をボーナス

・誕生月にはプレゼント資金をプラス

 

こんな工夫を取り入れると、お金を貯める喜びや増える喜びが湧いてきます。

 

★見返す

お小遣い帳はテストと同じで見返すことに意味があります。

月末に今月を振り返ってみて、使ったお金に後悔はないか、逆に買っておけばよかったものはないか、一緒に考えましょう。

さらにお小遣い帳は飽きやすく続かないというのが悩みどころ。

見返し、パパやママのコメントを入れたり、日記のような感想を記したりすることで飽きが防げますよ。

★お年玉など大きいお金はどうするべきか

子ども名義の口座を作り管理しましょう!と言いたいところですが、注意が必要です。

一定の額を超えたものを子どもに渡そうとすると、渡すタイミングによっては贈与税がかかるからです。教育資金の非課税制度などが延長されたので利用したいところですね。

詳しくはコチラ

教育資金贈与はいつまで? 期限や例外ケース、手続きのやり方も紹介 (asahi.com)

 

小学生の子にとっては、大きい単位のお金は実感がわきません。

メインはお小遣い帳になります。

小学生の金融教育まとめ

では、学ぶべきポイントをまとめておきましょう。

★お金を貯める感覚、使う感覚を覚える

★お金の価値を理解する

★お金を増やす喜びを教える

★世の中の仕組みを理解する

まだ投資や税や保険などを学ぶ年代ではないものの、上記のような感覚や理解が進んでいれば中学生以降の学びがきっと大きく有意義なものになるはずです。

キャッシュレス化が進む現代だからこそ、硬貨や紙幣を実際に見せながらの金融教育に価値があります。そしてスマホを渡す前にしかできないことです。

ぜひ硬貨や紙幣があるうちに(笑)学ばせてあげてください。

例)大企業の社長をはじめ、富を築いた方の多くは早くからお金との付き合い方について学んできました。

中には生涯分のお小遣いとして100万円を子どもに渡した結果、株により莫大な利益を出した例もあります。

とはいえ先述した例は極端であり、自宅だけでは深い教育まで行うのは難しいです。次章では同学年の一歩先を行く教育方法について見ていきます。

キャリア教育との組み合わせで効果倍増

金融教育について触れてきましたが、欧米、特に北欧ではシチズンシップ教育の一環として金融教育を学びます。

つまり、将来よき市民になるためにお金についても学ぶ、というスタンスなのです。

なぜお金は存在するのか、から始まり、世の中が色んなシゴトで成り立っていることを総合理解する必要があるわけですね。

日本でもキャリア教育が注目を集めています。

このキャリア教育を金融教育と併行して学ぶことで互いの効果を倍増させることができます。

世の中には色んなシゴトがあり、そうした人たちとモノやサービスをお金でやりとりすることで社会は成り立っているんだ!という学びですね。

ぜひキャリア教育も検討してみてください。

私たちが提供しているDreamdrivenもその一つです。
DreamDrivenは、

・週に1回45分

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毎週1つのシゴトを、最高にオモシロく、最高にカッコよく、届けます。

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パパママ、小学生のころシゴトを何個知ってた?

この記事を書いた人

代表取締役社長

鹿嶌將博(かしままさひろ)

1975年、愛知県名古屋市生まれ
株式会社ミライメイク 代表取締役社長
NPO次世代キャリア教育プロジェクト理事


【ドリドリプロデュ―サー鹿嶌とは】
2017年、イエナプランをはじめとしたオルタナティブ教育を学ぶためオランダへ。
世界一幸せな国オランダの子どもたちとその教育に触れ、日本の子どもたちのために挑戦を始める。
同年にモンテッソーリ教育をベースにした企業主導型保育園を設立。運営していた進学塾ではチームで学ぶスタイルの導入。2020年に2園目となる認可保育園を設立。そして2022年、小学生向けオンラインキャリア教育「ドリームドリブン」を始動。〝夢があるから頑張れる〟そんな子を日本にも増やしたいと、長年培った教育現場での指導技術を活かし、2年間で100のシゴトが楽しく学べるコンテンツを創りあげる。翌2023年には塾や学童へのtoB事業も開始。
ドリームドリブンのHP
https://www.dream-driven.jp/


【愛娘のパパとしての顔】
7歳の娘みーたんをこよなく愛する自他ともに認める親バカ。 Facebookには、ドリドリの投稿が半分、みーたんへの溺愛ぶりが半分となっている。 最近は「算数が得意になりたい!」みーたんと100マス計算に勤しんでいる。

Q&A

A.
01

高校で義務化された金融教育の前にお金にまつわる基礎知識や感覚を手に入れておきたいものです。小学生から始めましょう。

A.
02

現金であげることです。硬貨や紙幣をじかに触れるチャンスは小学生くらいになるかもしれません。今のうちに感覚を養いましょう。

A.
03

お金の教育だけでなく、キャリア教育も並行して取り組みましょう。シゴトや世の中の解像度を高め、学ぶモチベーションもUPしますよ。

A.
04

一般的には500円が相場のようです。しかし額はそこまで重要ではありません。お小遣いを通してどのように教育出来るか、が大切です。

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