親力が問われる塾選び。元塾経営者が教える「通っちゃダメな塾」の見抜き方を知っていますか?

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親力が問われる塾選び。元塾経営者が教える「通っちゃダメな塾」の見抜き方を知っていますか?

わが子に一番合う塾はどこか?
どの塾もチラシやHPではいいこと書いてるし・・・迷いますよね。
ここでは、進学塾を25年経営してきた私が主に小学生段階の「塾選び」について教えます。
絶対に「通っちゃいけない」塾の特徴についても解説!

塾の種類とは?

まず塾の定義をしておきましょう。
塾:算国理社英+αを、人間の先生が、指導してくれるサービス。

つまり水泳やピアノなどの習い事や、プログラミングやそろばん単体教室、そして家庭教師などはここでは除外します。

では、塾にはどんな種類があるのでしょう?
表にしてみます。

  補習型 予習型 受験対策
一斉指導(集団指導)
個別指導

まず縦の要素が指導スタイル。
一斉指導と個別指導です。
昔は一斉指導が主流でしたが、最近では少子化も進み、個別指導塾がかなり増えました。
中には一斉指導塾なのに、生徒が少ないため実質個別指導になっていたり、一斉と個別の中間のグループ指導という形式をとっている塾もあります。
個別指導も1:1や1:2という一般的なイメージのものから、1:4や1:6までコース設定がある塾も増えており注意が必要です。

横軸は指導内容。
まず教科書ベース(教育現場では準拠といったりします)かどうか。
教科書ベースで授業を進める場合も、学校の後を行く補習型と、学校の先を行く予習型で分かれます。
そして教科書に載っていない内容まで扱う受験対策型。
特に中学受験の場合や難関高校受験の場合は、教科書だけでは到底合格ができません。
必然的に教科書以上、つまり受験対策内容を求められることになります。

これら縦軸と横軸の組み合わせで、地域の塾を分類してみるのもいいですね。

首をかしげて悩んでいるお母さんと後ろで見守る父と兄妹

塾選びの前に!通う目的をはっきりさせよう

次にお子さまの通う目的をはっきりさせましょう。
ここでは大きく3つに分けたいと思います。

  • A)学習習慣をつけたい
  • B)中学受験
  • C)高校受験

A)学習習慣をつけたい

小学3~4年くらいになると「家ではなかなか集中して勉強できない」「内容も難しくなってきて親では上手に教えてあげられない」という問題が出てきます。
また、得意や不得意がはっきりしてきて、「うちの子、このままで大丈夫かしら?」という不安も募りがちです。
そこで、プロの先生のもとで決まった時間に勉強する習慣をつけていこう!という目的。

ここで気をつけたいのが、親が欲張ってしまうことです。
目的は「学習習慣の定着」ですから、勉強の苦手感を払拭し、毎日コツコツ前向きに机に向かえるようになれば目的達成です。
ここで「苦手な算数を得意に・・・」とか「英語のテストで100点」と欲を出すと、当初の目的と変わってきてしまい、上手くいかないことが多いです。

B)中学受験

「叶えたい夢がある」「系列の附属大へ進学したい」という前向きなものから、「地元の公立中が荒れていて進学したくない」「お友達がみんな受験するから私も・・・」という若干後ろ向きなものまで。
いずれにしても特定の中学校に合格する目的、です。
遅くても5年生から、早い子だと2~3年生からの長丁場。当然費用もA)の何倍も必要になるため、親の塾選びも慎重になって当然でしょう。

この目的の場合、親子の覚悟が必須です。
「とりあえずやってみて考えよう」というご家庭をたまにおみかけしますが、あまりお勧めしません。
メンタルの強い人間力のある子なら別ですが、普通の子にとって「途中撤退」はあとあと負の経験として残ることが多いからです。
やるからには全力を尽くす!でも、合否には執着せず、受験というイベントを通しての成長を楽しむ!ここまで覚悟を決めてやってほしいなと思います。

C)高校受験

首都圏や関西圏ではなく地方在住の子にとっては、中学受験ではなく高校受験がメインルート。意識の高いご家庭だと小学4~5年から、地域の塾の小学部コースに通い始めることになります。一方、多くのご家庭では、小学生の内はスポーツや文化的な習い事に力を入れ、中学1~2年生から高校受験対策、というカタチでしょう。

高校受験の多くは教科書中心の勉強になります。これは、多くの自治体で行われる公立高校の選抜試験が教科書から出題されることに加え、内申点、つまり中2や中3時点の通知表評定が合否を分けるからです。まずは公立の上位校を目指し、普段の定期テストでいい順位を取り続ける。そのために塾に通う子は少なくありません。中にはグングン成績を伸ばし、当初は考えていなかった地元難関私立高や公立だけれども独自選抜を行うTOP公立校を視野に入れることも。この場合、教科書だけでは対応できないため、教科書以上の対策が必要になってきます。

いかがでしょうか。
どのルートでいくか決めるのは、ずばり小3~4まで、です。
しっかりとお子さまと話し合い、納得のいく選択ができるかどうか、が塾選びの前に必要です。

目的別・塾の選び方

  補習型 予習型 受験対策
一斉指導(集団指導)
個別指導

お子さまのルート、そして塾に通う目的をしっかり定めたら、いよいよ塾選び。
目的別に考えていきましょう。

A)学習習慣の定着

志望校合格や成績UPではなく、まずは毎日コツコツ机に向かう習慣をつけよう!

この場合は、補習型の一斉指導(①)や補習型の個別指導(④)がおススメです。
成績を上げに行く攻めの予習型とは真逆、守りの補習型、です。
子どもにとっては、
・一度学校でやっているから心理的ハードルが低い
・できる問題が多く、自信を身につけやすい
・理解できていないところを見つけ、重点的に宿題などでリカバーできる
など、学習習慣がついていない子には利点が多くなります。

選ぶ際のポイントは以下。
・家から近いか
・褒めるのが上手な優しい先生
・ポイント制度や面白イベントが多い
まず家から近いほうが、塾に通うのが気楽になります。分からない問題があった時に「先生~教えて!」と駆け込めるぐらいだと勉強がどんどん身近になります。

そして先生。厳しい先生より、出来たことを大げさに褒めてくれる優しい先生の方が学習習慣はつきやすいです。特に3~4年生は自信や自己肯定感を高める方に重きを置いた方があと伸び力がつきやすいです。年齢や経験よりも「褒め力」を見極めるようにしてください。

最後は勉強を楽しめる工夫があるかどうか。自習に来たら1ポイント、100点を讃えるボード、計算タイムバトルなど勉強を楽しめる工夫があるかどうか、教室に行くことが楽しくなるハロウィンやクリスマスイベントがあるかどうか、なども合わせてチェックしましょう。

一斉か個別かはお子さまの性格(友達と競いたいorマイペースにやりたい)もあります。が、指導スタイルより大事なのは先生との相性です。お子さまもパパママも信頼できる褒め上手な先生を探しましょう。

B)中学受験

志望校の合格を勝ち取りに行く中学受験。
この場合は一斉指導の受験対策(③)がメインです。経済的に余裕があるご家庭は個別指導の受験対策(⑥)のみでいく手もありますが、あまりおすすめはしません。中学受験は、ある程度、量の勝負になります。週に6~10時間、多い人だと15時間以上塾に通います。すべて個別にしてしまうと、費用がかさむだけではなく、同じ先生に指導してもらえない非効率リスクなども生じます。メインは一斉指導で、ライバルたちと切磋琢磨し、一斉授業ではカバーできない部分を個別授業で補う、がよいでしょう。

では、メインとなる一斉指導塾を選ぶポイントです。
・教師陣のキャリア
・塾全体&教室単位での適正な実績
・メンタルケア
まず一番重要視するべきは講師陣のキャリアです。地域の私国立中入試の出題傾向や合否を分けるポイントは、一朝一夕で身につくものではありません。最低でも教室に1人以上、進学指導面において頼れるベテランがいるかどうかをチェックしましょう。首都圏や関西圏のチェーン塾の場合、実際の講師(特に下位クラス)は大学生講師であることも少なくありません。多くは中学受験経験者なので、知識は持っていますが、自身が受験した時代と今とでは出題傾向や難易度もガラッと変わっていることもあります。できれば学生講師の多い塾は避けましょう。

次は実績。 塾全体と通う教室単位の両面を見ましょう。そして気をつけたいのは、難関校合格実績が多ければ多いほどいい、というものではないということです。難関校の合格実績は見栄えがするためどこの塾も必死です。中には受験費用を肩代わりして上位生に受験させる塾も・・・。派手な数字に踊らされず、お子さまの志望校への合格者数と合格実績、これが一番見るべき数字です。

最後はメンタルケア。定期的な三者面談から普段のちょっとした相談まで、しっかりと頼れる塾を選びましょう。中には合格実績を出せる上位生しか面倒見よくみてくれない塾も。途中で塾を替えるなんてことがないよう、入る前から先輩ママたちの口コミも気にしておきたいところです。

C)高校受験

中学受験せず、高校受験を選択した場合、小学生段階では予習型の一斉指導(②)をおススメします。早いうちから「塾での予習」に慣れておくことで中学生になってからの選択肢が増やせます。また算数や英語など、得意教科に磨きをかけるなら予習型の個別指導(⑤)もありです。数検や英検など資格取得もモチベーションUPにつながります。これらの講座がある塾を探してみましょう。

ここからは中学生に上がってからの塾選び。 中学受験とは異なり、肉体的にも精神的にも成長したわが子に任せるところが大きくなる高校受験。 それでも最初の塾選びだけはしっかりと納得のいくものにしたいもの。 お子さまの学力によって、行くべき塾は変わってくるからです。

偏差値40前後で内申もALL3以下。こうした子であれば、補習型の個別指導(④)か、部活動で忙しく勉強していなかっただけの子であれば、補習型の一斉指導(①)も効果的です。
選ぶポイントですが、ある程度厳しく指導してくれるところがベターです。特に内申点が悪い子は、普段の授業態度や提出物などに難があるケースが目立ちます。なぜ気を引き締める必要があるのか、諭しながらも、甘えを律してくれる先生がいる塾を探しましょう。経験上、ALL3までは本人の努力と工夫次第でとれます。そしてALL3あれば高校は選べるようになるのです。

次に偏差値50前後で内申ALL4届かないくらいの子。予習型の一斉指導(②)が効果的です。学校の授業についていけているがテストの点数が取り切れない状況なので、攻めの予習型が最適解です。事前に予習することで、学校の授業が復習の場になり、当然挙手などの活躍機会も増えます。特定の教科のみが足を引っ張り偏差値や内申を伸ばしきれない子は、補習型の個別指導(④)でつぶしこむか、考えを変え、予習型の個別指導(⑤)で得意を伸ばすか、となります。地域に3科入試の上位私立があったり、推薦がもらえそうな場合は後者の方がおすすめです。

最後に偏差値60オーバー、内申もALL4以上の場合。一斉指導の受験対策(③)、個別指導の受験対策(⑥)でTOP高校を目指しましょう。塾選びは特定高校の合格実績から。目指したい高校の合格のさせ方を知らない塾では非常に効率が悪いです。コンスタントに合格を出している塾を探します。その中から自分の課題を解消できる塾を、出来れば本人に見つけさせましょう。これくらいの成績が取れている子であれば、人に言われなくても課題は見つけられます。将来の大学受験の予行演習のためにも、逆算思考で「目的」と「手法」を考えさせましょう。
塾での授業風景 前に小学生男子2人と後ろに小学生女子子2人 1人の女の子が挙手

通っちゃダメな塾の特徴

ここからは通っちゃいけない塾の特徴をお教えします。

  • ①先生の退職が多い
  • ②自習室に活気がない
  • ③教育理念が合わない

①先生の退職が多い

まず、塾の労働環境はわりとブラックです(笑)。 学校の先生のように部活動や行事の準備はありませんが、その分、成績UPの数値目標や授業アンケートなど、シビアな数字に追いかけられていることが多いです。 そうした塾は先生が疲れており、スーツはよれよれ、髪もボサボサで、掃除などに手が回らなくなるためトイレや教室が汚くなる傾向にあります。 入塾相談に行った時はこのあたりもチェックするとよいでしょう。 そして先輩ママから「あの塾は、すぐ先生が辞めるわよ!」などと聞いたら黄色信号。 悪循環に陥っており、通ってはいけない塾となります。

②自習室に活気がない

経験上、一番差が出るのが自習室です。 先生が元気で、子どもたちのモチベーションを上手に引き上げている塾や教室は、自習室がいっぱいです。 授業前から生徒が集まり、もっと言えば、授業のない日でも生徒がやって来ます。 夕方、入塾相談に行った際に「自習室を見せてもらえますか?」と聞いてみましょう。 自習室がいっぱいで、私語がなく、みんなが競い合うように勉強している塾は当たりです。 逆に自習室がガラ―ンとしていたり、私語が多く、お菓子パーティーになったりしている教室は、通わない方がいいでしょう。

③教育理念が合わない

世のパパママに一番お伝えしたいのがここです。 成績を上げるのが使命の塾とは言え、やはり教育現場である以上、教育観や教育理念が存在します。 どんなプロセスで成績を上げたいのか、をしっかりと確認しましょう。 鬼のように宿題やプリントを課す塾。主体性が育つのをじっくり待つ塾。厳しい言葉で焚きつける塾。 褒めて褒めて伸ばす塾。どれが正解などありません。ご家庭の教育方針と合致するかどうか、が大切です。 また小中学生の子どもというのは、いい意味でも悪い意味でも、先生の影響を多大に受けます。 一斉指導は、「場の教育」であるため、教師は強い言葉で人生観を語ることもあります。 逆に個別指導は歳が近い学生講師の分、親しみやすすぎるところも出てきます。 一長一短ですね。今はネットでも塾の評判を見ることができます。 親子で違和感を感じる塾には通わないようにしましょう。

以上、3つほど特徴をあげてみました。
が、結局合う合わないには個人差があります。

目の血走った若い先生がハチマキ巻いて大きな声で「根性だ~!」という大手塾が好きな子もいれば、ベテランのおばあちゃん先生が細々と経営する個人塾で「ゆっくりいこうね~」と優しく指導してくれる塾が好きな子もいます。

塾選びに正解はなく、だからこそ通える範囲内のたくさんの塾を親子で見てみる
これが一番だと思います。
男性教師の後ろ姿と母娘の笑顔 三者面談

オンライン塾という新たな選択肢

最後にオンライン塾を紹介しておきます。コロナ以降、日本でもビデオ会議システムが一気に浸透し、オンライン塾も増えてきました。子どもにとっては通塾する手間や時間が不要で、親も送り迎えがなく交通事故などの心配がないという利点があります。一方で迫力や子どもの集中力といったデメリットも?

このあたりは別記事(コチラ)で詳しく書いていますので合わせてお読みください。

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この記事を書いた人

代表取締役社長

鹿嶌將博(かしままさひろ)

1975年、愛知県名古屋市生まれ
株式会社ミライメイク 代表取締役社長
NPO次世代キャリア教育プロジェクト理事


【ドリドリプロデュ―サー鹿嶌とは】
2017年、イエナプランをはじめとしたオルタナティブ教育を学ぶためオランダへ。
世界一幸せな国オランダの子どもたちとその教育に触れ、日本の子どもたちのために挑戦を始める。
同年にモンテッソーリ教育をベースにした企業主導型保育園を設立。運営していた進学塾ではチームで学ぶスタイルの導入。2020年に2園目となる認可保育園を設立。そして2022年、小学生向けオンラインキャリア教育「ドリームドリブン」を始動。〝夢があるから頑張れる〟そんな子を日本にも増やしたいと、長年培った教育現場での指導技術を活かし、2年間で100のシゴトが楽しく学べるコンテンツを創りあげる。翌2023年には塾や学童へのtoB事業も開始。
ドリームドリブンのHP
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【愛娘のパパとしての顔】
7歳の娘みーたんをこよなく愛する自他ともに認める親バカ。 Facebookには、ドリドリの投稿が半分、みーたんへの溺愛ぶりが半分となっている。 最近は「算数が得意になりたい!」みーたんと100マス計算に勤しんでいる。

Q&A

A.
01

メリットは切磋琢磨できるところです。同等の学力の子と競い合いながら勉強を楽しむことができます。一方で芯のない子は空気に飲まれやすくなります。「みんながやるからやる」うちはいいですが、それは裏を返せば「みんながやらないからやらない」リスクにもなります。

A.
02

メリットは、自分がつまづいた場所を集中的に学べるところです。自分のペースでじっくり学ぶことができます。デメリットはどうしても費用が高くなることと、周りの子たちとの競争がないところ。そして先生の当たり外れが大きいところです。

A.
03

家庭との教育理念が合致し、かつ成績を上げてくれる塾と言えます。
どちらかが欠けてもいい塾とは言えません。理想の塾に出会えるといいですね。

A.
04

先生に元気がない塾、自習室に活気がない塾、教育理念があわない塾、などが挙げられますが、入塾相談に行って、2年や3年も通い続けられそうかどうか、この先生を信じられるかどうか、ご自身の感覚が一番大事です。ある人にとっては最高の塾でも、他の人には最低な塾になり得ます。その逆も然り。たくさんの塾を見ることをお勧めします。

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