小学生の子どもにいつからスマホを持たせる?成功例/失敗例からひも解くネット環境との付き合い方

あのスティーブジョブスが自分の子どものスマホ使用を厳格に制限していた、というのは有名な話。

便利だし、これからの時代に使いこなせなくてはならないスマホ。

一方で、子どもに対する悪影響(視力低下・依存・ネットいじめ…etc)は確かに心配で、いつからどのようなルールで持たせるべきか、悩みますよね。

ここでは、進学塾の元塾長がスマホの所持とルールについて考えます。

小学生のスマホ所有率

まずは日本の小学生がどれくらいスマホを持っているのか見てみましょう。

NTTドコモモバイルの2022年11月の調査によれば、小学1年生で21%、3年生で42%、6年生で64%となっています。
所有率は年々高くなってきていて、インターネットデバイスが生活に欠かせない時代になってきていることを伺わせます。


気になる半数を突破するのは5年生。
統計上は4年生あたりから家の中でルールを決めはじめて、5年生で所有、といった感じでしょうか。

 

小学生の子どもがスマホを持つメリット

小学生の子どもにスマホを持たせるメリットは以下。
 

連絡手段の確保

安全面の強化

③ITリテラシーの教育ツールとして
順番に見ていきましょう。


連絡手段

小学2~4年生ともなると一人で行動することも出てきます。

ちょっと友達の家に行ってくるね!

上の階の本屋さん見てくるね!など。

今までは親やおうちの人が付き添っていた状態からの一人立ち・・・。

怖さはあるものの、スマホでいつでも連絡がつくのなら・・・というところですね。

親子でスケジュールアプリを活用したり、見守りアプリと組み合わせることで利便性も高まりそうです。

 

安全面

万が一、事故や誘拐にでもあったりしたら・・・。

そう考えるとスマホはないよりあったほうがいいですよね。

GPSで場所を特定したり、緊急コールで端末から大きな音を出すこともできます。

実際に大きな災害時などは電話は繋がらなくても、GPS機能やSNS活用で無事や居場所が確認できるなどスマホのメリットは大きいと言えます。

実際に2015年には母親がGPS機能を使い、誘拐犯からわが子を取り戻した!なんて事件も。

 

ITリテラシーの教育ツールとして

これからの時代にITリテラシーは不可欠!

ならば早いうちから「習うより慣れろ」でデバイスを持たせてしまった方がいい、といった考え方です。

正直、ここが一番の悩みどころだと思います。


①や②は安定的なメリットであるのに対し、③はどちらかというと諸刃の剣。ITリテラシーは高いけどリアルな対人能力が・・・なんてことになれば目も当てられません。次のデメリットで詳しくお話ししましょう。
スマホに目を向けて横1列に並ぶ小学生4人

 

スマホを持つデメリット

デメリットも3つ挙げてみます。

視力低下

スマホ依存

SNSトラブル

視力低下はもはや現代病ですね。

スマホ所持の低年齢化に伴い、年々子どもの平均視力は下がっています。

さらに小学生の1/3が近視という驚くべきデータも・・・。


          引用元:https://www.nippon.com/ja/features/h00282/


メガネやコンタクトで済めばいいですが、時には弱視や目の病気に繋がったりするため、目の成長・発達段階にはよく注意しておくことが必要です。

(※赤ちゃんから幼児期のスマホおもり、絶対にやめましょう!)

 

スマホ依存も社会問題化してから久しいですね

アップルの幹部トニー・ファデルはこう言っています。
「冷や汗をびっしょりかいて目を覚ますんだ。僕たちはいったい何を創ってしまったんだろうって。うちの子供たちは、僕がスクリーンを取り上げようとすると、まるで自分の一部を奪われるような顔をする。そして感情的になる。それも、激しく。そのあと数日間、放心したような状態なんだ」

 

スマホやタブレットには依存性があります。

これは人間が新しい情報を得た時に脳から出されるドーパミンが原因と言われています。

手に取ってスワイプすれば、新しい情報がどんどん更新されて出てくるスマホは触るたびにドーパミンが出る依存性の高い機器と言えます。

 

スマホ依存の弊害として

・うつ病にかかるリスクが高くなる

・ブルーライトの浴びすぎで睡眠障害を引き起こす

・キレやすくなるなど感情面に不安定さをもたらす

などが指摘されています。

 

最後はSNSトラブルです

スマホを単なる携帯電話として使っている間はOKですが、高学年ともなればLINEなどSNSをやりたくなるものです。そして、SNSでは面と向かっては言えないような汚い言葉を打ってしまったり、調子に乗って会話がエスカレートしトラブルになることが多々あります。

私の結論としては、親が「大丈夫!」と思えるまではSNSはさせない、これに尽きます。

ITリテラシーの獲得と天秤にかけても、友達間のトラブルはいじめも含めマイナス面が大きすぎます。スマホは通話用として渡してもSNSは十分に親と練習してから、がベストです。

 

お薦めルールを以下に紹介します。
スマホを触る小学校低学年の男の子の手元。

 
 

スマホを持たせる場合のお薦めルール

まずは成功例と失敗例をひとつずつ。

①成功例 ~Aちゃんの場合~

小5の誕生日にキッズ携帯を購入。細かくルールを決めて、守れなければ携帯を返還する約束でスタート。SNSは親とのみ。相手への配慮やネットの怖さなどを親と一緒に学んでいるところ。上手になってきたので、中学生から友達ともSNSデビュー予定。

②失敗例 ~Bくんの場合~

小3に上がった時にスマホを購入。ルールは使いながら随時決めていったが、守れないことが多くなぁなぁになってしまっている。最近ではフィルタリングをかいくぐってゲームをしたり、SNSで友達とトラブルになったりと散々な状態。

いかがでしょうか?
比較することでいくつかポイントが見えてきます。

ポイントを押えながらお薦めルールをご紹介します。

ルールその1

《スマホを持たせるのは高学年から》

私の結論として、低学年にスマホは必要ないと思います。

GPS機能だけならGPS付きのキーホルダーがありますし、通話が必要なほど遠くに行かせなければいい話です。

スマホを持つことによるメリットよりもデメリットの方が大きいと思うのです。

「まわりのみんなは持ってる!仲間外れにされちゃう!」

の圧力に負けず、毅然とした態度で家族のルールを話しましょう。

近視は7歳から11歳で最も進む、という研究結果からも低学年所持を薦めない理由です。

ルールその2

《ネットに繋いでいいのはリビング1時間》

あくまで小学生の間のスマホは、ITリテラシーを獲得するための練習時間。
親は強い意志を持って子どもとルールを決めましょう。
 

なので、部屋に持っていってネットで動画を観たりはできません。

親のいるリビングで最長1時間まで、ネットを楽しめるようにしましょう。

もちろんフィルタリングも万全に。


ルールその3
《20-20-20を徹底!タブレットやPCでも》
視力を守るために欧米で浸透してきているのが20-20-20ルール。
これは、20分間ディスプレイを見たら、20フィート(約6m)先を、20秒間見よう。というもの。キッチンタイマーなどを活用し、20分刻みにしましょう。

また、小さいスマホではなく、大きい画面で映せるものはなるべくタブレットやPCやテレビなど大きい画面で映しましょう。

ルールその4

《20時以降は触らない》
スマホから出るブルーライトは睡眠の質を低下させます。
よって寝る2時間前からは触らないように決めましょう。
親が触っていると、子どもも触りたくなるので、親もノースマホタイムにした方がいいですね。


ルールその5
《LINEは親だけ&友達とのLINEや他SNSは中学生になってから》
LINEは入れます。SNSでのコミュニケーションの練習をするためです。
遊びに行くときや塾や習い事の送り迎えなど、どんどん活用しましょう。
言葉のチョイスやありがとう、ごめんなさい、など友達とLINEする前に気持ちのいいSNSコミュニケーションとはどうあるべきか、定期的に考える時間を作りましょう。
友達とのLINEやSNSは、親が合格を出して、かつ中学生になってから、としましょう。


ルールその6

《上記を一つでも破ったら即没収》

ここは厳格に!再付与の時期は最低でも1ヶ月と厳しめの設定をしましょう。

親の本気を見せるところです。

親子が指切りげんまんしている手のアップ写真

これからの時代を考えて親の意識転換を

以上、現時点で取るべき親のスタンスやルール作りについてお伝えしてきました。
もし「そうか!うちの家は甘く考えてたな。もう少し厳しく考えよう」となれば幸いです。
逆に「いやいや、うちはもっと厳しいから大丈夫!スマホは高校生以降から!」というおうちがあれば少しアドバイスを。
あまりに遅いタイミングでの付与は、これからの時代に合っていないかもしれません。
これからはスマホだけでなく、靴や帽子やベルト、いずれはコンタクトレンズに至るまであらゆるものがインターネットと繋がる時代が来ると言われています。
いわゆるIoTです。
そうした時代を生きる子たちにとってデバイスは衣食住の基礎的ツールになります。
確かにインターネットには危険も潜んでいますし、視力低下など健康被害もありえます。
が、しかし距離を取りすぎてもバランスを欠きます。
親子で未来を想像しながら、今、スマホから何をどう学んでおくかを考えましょう。

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DreamDrivenは、

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パパママ、小学生のころシゴトを何個知ってた?

この記事を書いた人

代表取締役社長

鹿嶌將博(かしままさひろ)

1975年、愛知県名古屋市生まれ
株式会社ミライメイク 代表取締役社長
NPO次世代キャリア教育プロジェクト理事


【ドリドリプロデュ―サー鹿嶌とは】
2017年、イエナプランをはじめとしたオルタナティブ教育を学ぶためオランダへ。
世界一幸せな国オランダの子どもたちとその教育に触れ、日本の子どもたちのために挑戦を始める。
同年にモンテッソーリ教育をベースにした企業主導型保育園を設立。運営していた進学塾ではチームで学ぶスタイルの導入。2020年に2園目となる認可保育園を設立。そして2022年、小学生向けオンラインキャリア教育「ドリームドリブン」を始動。〝夢があるから頑張れる〟そんな子を日本にも増やしたいと、長年培った教育現場での指導技術を活かし、2年間で100のシゴトが楽しく学べるコンテンツを創りあげる。翌2023年には塾や学童へのtoB事業も開始。
ドリームドリブンのHP
https://www.dream-driven.jp/


【愛娘のパパとしての顔】
7歳の娘みーたんをこよなく愛する自他ともに認める親バカ。 Facebookには、ドリドリの投稿が半分、みーたんへの溺愛ぶりが半分となっている。 最近は「算数が得意になりたい!」みーたんと100マス計算に勤しんでいる。

Q&A

A.
01

ネットリテラシーのへ理解力や視力低下の影響を考慮すると小学校高学年から、持たせることをお薦めします。スマホを渡す際は家族とルールを決めてネット社会との適切な付き合い方を学べるサポートをしてあげましょう。

A.
02

欧米でも浸透している20-20-20ルールを親子で守りましょう。

A.
03

ルール破ったら最低でも1ヶ月没収、と厳しくすることです。あくまでデバイスとの付き合い方を学ぶ段階であることを共有しましょう。

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